流星電視台
 夜空を矢のように翔ける一条の流れ星 

流星の魅力は、突然光跡を残して過ぎ行くそのスリル
そして、それぞれの流星たちの見せる個性的な振る舞いだと思っています。
今でもペルセウス座流星群(8月)や双子座流星群(12月)の時期になると、
天文ファンの血がふつふつとたぎってきます。

実は流星は夜だけではなく、昼間も休みなく遥か高空で光り輝いています。
数ある流星群の中には流星が飛び出してくる中心(=輻射点)が
太陽に近い方向にあるため、活動のピークが昼間になるものがあるのです。
特に毎年5月から7月頃の白昼に活発な流星群活動があります。
この期間、主に4つの流星群が入れ替わり立ち代りで激しい活動をします。
では、なぜ見えないはずの白昼の流星活動がわかるかといえば、
電波の目で見るからです。

流星が超高速で地球の高層大気に飛び込むと、大気の分子や原子に激しい衝撃を与えます。
すると原子は電子をたたき出されて電離・・・イオンの状態になるのです。
流星の経路にそった長さ数十キロのイオンのチューブ=電離柱は
普段は素通りしてしまう電波を反射する性質があるのです。

電波観測は大きく2つのタイプに分類できます。
ひとつは気象レーダーのように電波を発射して反射して戻ったものを捉まえるというもの。
もうひとつは、直接は受信できない遠隔地で発信されている電波が、
流星の電離柱で反射されて届いてくるのをキャッチするというものです。
アマチュアが取り組む流星の電波観測といえば後者を指すと思って差し支えありません。

遠隔地のFM放送を流星の電波観測に利用するFROという観測法が、
1980年頃を中心に盛んに行われました。私も大学時代に経験があります。
しかしFROはその後の民放FM局の大量開局と、コミュニティFMなどの出現によって
電波の隙間が少なくなったために難しい状況になり、すっかり下火になりました。

現在の流星電波観測の主流は
HRO(Ham Radio Observation)です。
これはアマチュア無線帯の周波数で発信される「観測専用」の電波を、
全国の各地で受信して流星エコーを捉えるというものです。
HROに利用する電波は福井県鯖江市から53.750MHzという周波数で発射されています。
これをアマチュア無線用のアンテナに繋いだ受信機でキャッチするものです。

受信機のスイッチを入れるとスピーカーからは「ザザー・・・」と雑音が流れ、
ときどきアマチュア無線の混信や、謎のノイズなどが混じったりします。
その中に「ポーン♪」「コーン♪」「ピン♪」「ポ♪」といった感じで、
ノイズとは違う楽器的な音が飛び込んできます。これこそ流星のささやきなのです。

2004年1月、私もHRO観測のシステムを自宅に導入しました。
アンテナは庭の物置の上に2素子の八木アンテナを立て、
経路を工夫しながら20mの同軸ケーブルを取り回して書斎に引き込み、
アイテック電子研究所製のHRO専用レシーバーで受信観測をしています。
スピーカーからの直接の流星エコー音声も楽しんでいますが、
HROFFTというソフトを使い、パソコンでの24時間自動観測をしています。
昼夜、天候に関係なく流星活動の状況・変化を追跡できるわけです。
masaruk HRO観測システムのアンテナ設置状況 (クリックで拡大)

庭にある物置の上にTVアンテナ用の屋根馬、
長さ1.2mほどのφ25ミリのアルミパイプ2本を継いで構成。
その上に短いパイプとジョイント金具を工夫して
アンテナ全体は天頂方向へ向けてある。
ただ、全体を電波源の福井県の方向に少し傾け仰角は75度ほど。

↑ 典型的な流星エコー像 2004年2月12日04時10分台
この1画面で18個の流星エコーが読み取れる。左目盛で0.9kHz強の周波数から右に並ぶ点々。
1年で流星活動が最も静かな時期としては、1画面でずいぶんキャッチできた例である。
HROFFTでは、このように10分間が1画面で自動観測のデータが蓄積されていく



過去2年のHRO観測グラフ 
Activity Level

2009年以前はクリック→

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↓ さまざまなHRO画像 ↓



2005年10月24日06時27分36秒出現の超ロングエコー
継続時間537秒


とても賑やかな流星のエコー 2004年7月29日01時30分台
水瓶座デルタ流星群と山羊座流星群の活動のハイブリッド状態
流星の電離柱で反射された電波が900ヘルツ付近の音程のエコーとなって記録されている。
下端のグラフは音声信号強度・・・白線一段が10db



2005年ペルセウス群の大ロングエコー 8月12日09時13分19秒出現
継続時間231秒。 ↓の2004年大エコーを上回るエコー継続時間であった

2004年ペルセウス群の大ロングエコー 8月12日03時16分56秒出現
継続時間157秒。 中部から関東でマイナス3等程度の流星として目撃されている。

2004年ペルセウス群活動の一端 8月12日午前9時20分台のHRO
太陽が昇ってからもHROは活発な流星活動を捉え続けている。

2004年ペルセウス群 極大ハイライト
8月12日の未明から午前中の主だったシーンの集成画像。
ペルセウス群がいかに多くのロングエコーを伴う流星群かということがよくわかる。



↑ Bonus shots ロングエコーギャラリー
さまざまな形状のロングエコーたち


私がHROシステムを構築するにあたり参考にした有難い世界へのリンクボタン
流星電波観測国際プロジェクト
筑波大学の小川宏さんの充実したWEB。
HROのHow toから、
ライブ観測公開サイトへのリンクなど。とにかく役立ちます!
CQ ham radio増刊 流星電波観測ガイドブック
HROの基礎から理論までを網羅する
電波流星観測の門を叩こうという者のバイブル。