27791の部屋
火星と木星の間を中心に無数の軌道を描く小惑星
太古からの軌道を巡っていたそのうちのひとつが
1993年に八ヶ岳の麓の天文台が撮影した写真に光跡をとどめました
最初についた名前が1993DD1
この星はその後も追跡され、2001年の夏に小惑星27791番として
太陽系のメンバーに正式に迎え入れられたのです

2002年6月、小惑星27791に固有名が与えられました
それが 
Masaru です

命名文(国際天文連合:小惑星回報より)

M.P.C. 46012   2002. June 24

(27791) Masaru =1993 DD1
Discovered 1993 Feb. 24 by Y. Kushida and O. Muramatsu
at the Yatsugatake South Base Observatory.
Masaru Kubota(b1959), is a broadcaster at a television station
and a certified weather forecaster.
He makes an effort to popularize science and astronomy
through his weather reports.

発見者:串田嘉男、村松 修   命名提案者:齊藤美和

1993DD1発見写真
1993DD1=27791=Masaru 発見写真
1993年2月25日01時16分〜32分 16分露光
 ε250 ハイパーボロイドアストロカメラ  F3.4
  撮影:串田嘉男  検出:村松 修
             八ヶ岳南麓天文台(山梨県)


串田さんが撮影した写真を、村松さんがチェック照合
時間を置いて撮影した2枚の写真を重ねると、
恒星の間を移動する小惑星が浮かび上がる
乙女座の一角を撮影したフィルムから見出された
発見写真の拡大(上写真の枠部分)
KMO80とは、Kushida-Muramatsu Object 80
すなわち串田さんと村松さんの共同発見天体80番のこと
矢印先端の新小惑星は発見時光度16.0等
1等星のちょうど100万分の1の明るさである
発見時位置関係
発見時の地球との位置関係
1993DD1=のちの27791Masaruは、
発見時はほぼ地球と衝の位置にきていた
このとき太陽からは2.069天文単位(=3億950万km)
地球からは1.120天文単位(=1億8770万km)だった
公転周期は3.24年  会合周期は平均1年5か月
八ヶ岳南麓天文台
天文ファンの憧憬であるドーム群
ここが夜空の深淵から、小惑星27791の微かな輝きを見出した
串田嘉男さんの宇宙探求の拠点
国際天文連合にも登録されている、公認の観測基地

串田嘉男さんと、27791を発見した写真望遠鏡
口径25センチのアストロカメラは、八ヶ岳の清冽な大気のもと
微光天体の検出に威力を発揮する
串田さんは、天体捜索者としてはもちろん、
近年は電磁波を利用した独自の地震予知研究にも力を注いでいる
奥様の麗樹さんは、超新星の発見者として
天文の世界ではよく知られた方だ。
最近も続々と超新星を発見し、総発見数は13個になった。
星のふるさとから見上げる八ヶ岳の朝
小惑星27791が発見された八ヶ岳の南麓は
masarukにとっても懐かしい星のふるさと
学生時代から幾度となく訪れたこのエリアで
自分とゆかりのできる星が見つけられたことは感無量
星見人(ホシミスト)のロマン
八ヶ岳の南の裾野は、視界、透明度、空の暗さと
さらには冬場を中心とした晴天率にも恵まれている
そんな高原のカラマツ林に観測所を建てる
・・・それは星見人にとってはひとつの夢のカタチ
写真は、27791共同発見者のひとり村松 修さんが
かつて星を追った小淵沢観測所
・・・(現在は星とカラマツ林に還ったということで、メモリアル写真)

27791 Masaru 軌道要素
Epoch (元期)   
M (平均近点離角)
ω (近日点引数) 
Ω (昇降点黄経) 
i  (軌道傾斜角)
a  (軌道長半径) 
e  (離心率)  
P  (公転周期) 
H  (標準等級)    
G  (スロ−プ係数) 
推定直径
2002 May 6.0 TT
319.9751 degree
130.48167 degree
018.20621 degree
004.74223 degree
002.1881323 Astronomical Unit
000.0567194
003.2368 year
013.8 magnitude
000.15
007 km
00
黄道北極から見下ろした
27791 Masaruの軌道
(各惑星位置は2004年6月5日)


小惑星としては離心率の小さい
比較的真円に近い軌道を描いている
地球接近時の光度は15.7〜16.4等級
接近時以外はおおむね18等級
小惑星 Masaru 近影(想像図)
直径が100kmを切るような天体は
自己重力による地形平坦化が殆ど起きない

このため小惑星の大半はジャガイモ状
または破片のような岩塊状をしている
Masaruの真の姿も、いつの日にか
人類の目に触れるかもしれない
ということでmasarukが制作したモデル


masarukより

私のさして高度とも言えないライフワーク天文活動に過分の理解をいただき、
貴重な小惑星命名の権利を行使してくださった発見者の串田嘉男さん、村松修さん。
命名提案という最初のステップに尽力してくださった齊藤美和さんに、
ひとりのアマチュアとして、深く感謝いたします。