人一倍、空を眺めている私は、また人一倍虹と出会う機会が
多いと思っている。加えて、気象も専門分野だけに
空の様子から「これは出るぞ」と、その気になって虹探しをする。
「出るな」と思ったときの約7割は、とにかく虹と遭遇している。
もちろんその中にはじっくり眺めて、ようやく淡い断片を
見出すことができる程度の虹も含まれている。

2005年6月11日の夕方、
自宅の2階から3階への階段を上がったところ、
小窓から異様に鮮やかな虹の帯が屹立しているのが見えた。
そして外側には副虹までしっかりと見えている。
これまでに眺めた中でも3本指に入る「虹の壮観」である。
家族に「外見てごらん!」と叫ぶと同時に、デジカメ持って
飛び出した。 カメラのワイド側にも収まりきらない虹の架け橋。
しっかりと反対側の地にも接していた「完全虹」だった。

この虹が鮮やかだった理由の第一は太陽が低かったため、
虹そのものが天高く大きく架かったこと。
そして虹の背後の空は雨雲を含むスクリーンで、
しかも日光が当たっていないために暗く、虹をよく浮き立たせた。
きれいに幕を張った雨滴のスクリーンに、非常にうまい具合に
日没近い太陽光線が差し込んでくれたことによる天の芸術だ。
5分あまり安定して輝いた虹は、副虹が薄れるとともに急激に
主虹も輝きを落とし、四分五裂するように1分ほどで消え去った。